
「EMSを使えば、きつい運動なしで内臓脂肪を落とすことができるの?」
EMSダイエットに興味をお持ちのあなたは、このような期待と同時に、いくつかの疑問も抱えているのではないでしょうか。EMSで脂肪は落ちますか?という根本的な問いから、ぽっこりお腹への効果や、お腹をEMSで痩せる効果は本当にあるのか、といった具体的な関心まで様々かと思います。
また、シックスパッドに代表されるような人気製品について、シックスパッドは内臓に影響しますか?といった安全性への懸念や、一般的なemsの内臓への影響も気になるところです。一方で、emsは効く人、効かない人がいるという話や、特に皮下脂肪が厚いと効果が出にくいという情報もあります。さらに、emsは効果なしとする論文や、消費者庁による指摘があったという話を聞き、不安に感じている方もいるかもしれません。健康上の理由から、emsが悪性腫瘍のある方になぜ禁忌とされるのかを知りたい方もいるでしょう。
そして、多くの方が最終的に知りたいのは、内臓脂肪を最速で落とす運動は何ですか?という点かもしれません。この記事では、これらの疑問に一つひとつ丁寧にお答えしながら、EMSと内臓脂肪の関係について、科学的な視点と専門家の意見を交えて深く掘り下げていきます。
- EMSが内臓脂肪に直接効くわけではない理由
- EMSの本当の効果と、効果が出やすい人の特徴
- 安全にEMSを使用するための重要な注意点
- 内臓脂肪を効率的に減らすための最適な方法

emsダイエットで内臓脂肪は落ちる?その効果と真実
そもそもEMSで脂肪は落ちますか?
結論から言うと、EMS自体が直接的に脂肪を燃焼させたり、溶かしたりすることはありません。EMS(Electrical Muscle Stimulation)は、日本語で「電気的筋肉刺激」と訳されます。その名の通り、電気の刺激で筋肉を強制的に収縮させることで、筋力トレーニングと同様の効果を狙う機器です。
では、なぜダイエット効果が期待されるのでしょうか。その理由は、筋肉量と基礎代謝の深い関係にあります。
EMSの主な役割
EMSの役割は、あくまで筋肉にアプローチすることです。筋肉が刺激されて動くことで、エネルギーが消費されます。また、トレーニングによって筋肉量が増えれば、何もしなくても消費されるエネルギーである「基礎代謝」が向上する可能性があります。基礎代謝が上がると、全体として消費カロリーが増え、結果的に脂肪が燃焼しやすい、つまり「痩せやすい体質」へと変化していくことが期待できるのです。
つまり、EMSは脂肪を直接減らす魔法の機械ではなく、筋肉を鍛えることで間接的にダイエットをサポートするツールである、と理解することが重要です。
WEBライターより
「EMSで痩せる」というよりは、「EMSで筋肉を鍛え、痩せやすい身体を作る手助けをする」というイメージが正しいですね。脂肪への直接攻撃ではなく、体質改善のサポートと捉えましょう。
emsがぽっこりお腹に与える効果
多くの方が気になる「ぽっこりお腹」ですが、その原因は一つではありません。主に「皮下脂肪」「内臓脂肪」そして「インナーマッスルの衰え」が挙げられます。
EMSは、この中の「インナーマッスルの衰え」に対して特に効果を発揮する可能性があります。インナーマッスルは、お腹周りをコルセットのように支えている深層部の筋肉です。この筋肉が衰えると、内臓を正しい位置に保持できなくなり、重力に負けて下腹部がぽっこりと出てしまう原因になります。
一般的な腹筋運動(アウターマッスルを鍛える運動)だけでは、インナーマッスルを効率的に鍛えるのは難しいとされています。しかし、一部の高周波や複合高周波を搭載したEMS機器は、体の深層部にあるインナーマッスルにまで電気刺激を届けることができると謳われています。
インナーマッスル強化による効果
インナーマッスルが鍛えられることで、天然のコルセットが強化され、内臓が正しい位置に収まりやすくなります。これにより、脂肪の量が直接減ったわけではなくても、お腹周りが引き締まり、姿勢が改善され、ぽっこりお腹が目立ちにくくなる効果が期待できるのです。
ただし、前述の通り、お腹周りの脂肪そのものをEMSが直接なくすわけではありません。インナーマッスルを鍛えつつ、食事改善や有酸素運動で脂肪を減らす努力を組み合わせることが、ぽっこりお腹解消への近道と言えるでしょう。
emsが効く人、効かない人の特徴
EMSは誰にでも同じ効果があるわけではなく、効果を実感しやすい人と、しにくい人がいます。それぞれの特徴を理解しておくことで、ご自身がEMSに向いているかどうかを判断する材料になります。
EMSの効果が出やすい人
- もともと運動習慣がなく、筋肉量が少ない人:筋肉への刺激に対する反応が大きく、少しのトレーニングでも変化を感じやすい傾向があります。
- インナーマッスルの衰えが原因で姿勢が悪い、またはお腹が出ている人:深層筋へのアプローチにより、姿勢改善や体幹の安定といった効果を実感しやすいです。
- 運動はしたいが、ケガや関節痛などで身体を動かすのが難しい人:体に大きな負荷をかけずに筋肉を刺激できるため、リハビリ目的や運動の代替として有効です。
EMSの効果が出にくい人
- 皮下脂肪が非常に厚い人:電気刺激が脂肪層に阻まれ、ターゲットである筋肉まで届きにくいため、効果を感じにくい場合があります。これについては次の見出しで詳しく解説します。
- すでに十分な筋肉量があり、定期的にトレーニングしている人:EMSによる刺激が、普段のトレーニングの負荷を超えない場合、大きな変化を感じにくいことがあります。より高いレベルのトレーニングの補助として使う工夫が必要です。
- EMSだけで痩せようと考えている人:食事管理や他の運動を全く行わない場合、EMSによる消費カロリーだけでは不十分で、目に見える変化は期待しにくいです。
結局のところ、EMSは「現在の筋肉量」と「生活習慣」に大きく左右されます。ご自身の状況と照らし合わせて、EMSを導入するかどうかを検討することが大切です。
なぜemsは脂肪が厚いと効きにくいのか
EMSの効果が皮下脂肪の厚さに左右される主な理由は、電気の通りやすさにあります。
人間の体において、電気は水分を多く含む組織を通りやすい性質を持っています。筋肉は約75%が水分で構成されており、非常に電気が通りやすい組織です。一方、脂肪組織は水分含有量が約20%と少なく、電気を通しにくい、いわば「絶縁体」のような性質を持っています。
このため、皮膚と筋肉の間に厚い皮下脂肪の層があると、EMSの電極から発せられた電気刺激が脂肪によって減衰・拡散してしまい、目的の筋肉まで十分に届かなくなってしまうのです。
組織 | 特徴 | 電気の通りやすさ |
---|---|---|
筋肉 | 水分量が多く、電気伝導性が高い | ◎(通りやすい) |
脂肪 | 水分量が少なく、電気抵抗が大きい | ×(通りにくい) |
市販の家庭用EMSの多くは、安全性を考慮して出力が抑えられています。そのため、皮下脂肪が厚い方が使用すると、表面がピリピリするだけで、筋肉が十分に収縮するほどの刺激が届かない、というケースが起こり得ます。
ただし、業務用や医療用のEMS機器の中には、「高周波」や「複合高周波」といった特殊な電流を用いることで、皮下脂肪の影響を受けにくくし、より深層の筋肉までアプローチできるとされているものもあります。インプットした情報の中にも、皮下15cmまで届くことを謳う製品がありました。もし皮下脂肪の厚さが気になる場合は、そういった高性能な機種を検討するのも一つの選択肢です。
emsが効果なしとされる論文はあるのか
はい、「EMS単独での痩身効果は限定的、あるいは認められない」とする研究や論文は存在します。
例えば、早稲田大学で行われた研究では、EMSの負荷によって腹部の筋肉量の増大や腹囲の減少が認められたとしつつも、それはあくまで筋肉への効果が主であると結論付けています。
海外の研究においても、EMSが筋力向上やリハビリテーションに有効であることは広く認められていますが、「貼るだけで脂肪が落ちる」といった効果を科学的に証明した質の高い研究は非常に少ないのが現状です。
論文を読む際の注意点
研究論文では、「どのような対象者に」「どのくらいの期間」「どのような種類のEMSを」「どのような条件で」使用したかが非常に重要です。特定の条件下で「効果がなかった」という結果が出たとしても、それが全てのEMS機器や全ての人に当てはまるわけではありません。
重要なのは、これらの論文が示唆している「EMSは万能ではない」という事実を理解することです。EMSは筋肉を鍛えるための一つのツールであり、ダイエットの成果は、食事、運動、休養といった生活全体のバランスによって決まります。論文の結果を悲観的に捉えるのではなく、EMSへの過度な期待を戒め、現実的な活用法を考えるきっかけとすることが賢明です。
emsは効果なしという消費者庁の指摘
過去に、EMS機器の広告表示に関して消費者庁が景品表示法に基づき措置命令を出した事例が実際にあります。
これは2020年の出来事で、複数の事業者が販売するEMS機器について、「貼るだけで、運動をしなくても、短期間で腹筋が割れる」といった、消費者に誤解を与えるような広告表現が問題視されました。消費者庁は、これらの表示が裏付けとなる合理的な根拠のない「優良誤認表示」にあたるとして、事業者に対し、表示の取りやめや再発防止などを命じました。(参照:消費者庁 EMS機器の販売事業者4社に対する景品表示法に基づく措置命令について)
指摘されたポイント
問題となったのは、「誰でも簡単に、努力なく痩せられる」と誤解させるような誇大な広告です。EMS機器そのものの効果が全て否定されたわけではありません。しかし、広告で謳われているような劇的な痩身効果は、科学的根拠に乏しいという厳しい指摘です。
この一件は、私たち消費者に重要な教訓を与えてくれます。それは、広告の甘い言葉を鵜呑みにせず、製品の本来の目的や効果のメカニズムを正しく理解する必要があるということです。
前述の通り、EMSは筋肉を鍛えるためのサポート機器です。その効果を最大限に引き出すためには、適切な食事管理と運動習慣を組み合わせることが不可欠であるという事実を、この消費者庁の指摘は改めて浮き彫りにしたと言えるでしょう。

emsダイエットで内臓脂肪へ挑む前の注意点
シックスパッドは内臓に影響する?
シックスパッド(SIXPAD)のような家庭用EMS機器が、適切に使用されている限りにおいて、健康な方の内臓に直接的な悪影響を及ぼすという報告は基本的にありません。
これらの製品は、一般の消費者が安全に使用できるよう、出力や周波数が厳しく管理されて設計されています。電気刺激は主に皮膚表面に近い筋肉層に作用するように作られており、内臓まで到達してダメージを与えるような強力なものではありません。
ただし、これは「取扱説明書に従って正しく使用した場合」という大前提に基づきます。例えば、推奨時間を大幅に超えて使用したり、極端に高いレベルで長時間使用したりすると、筋肉の過度な疲労や、まれに低温やけどなどを引き起こす可能性は否定できません。
シックスパッドの公式サイトでも、安全性に関する研究や、専門家との共同開発について言及されています。製品を選ぶ際は、こうした企業の姿勢や、安全基準に関する情報を確認することも大切です。(参照:SIXPAD公式サイト)
結論として、シックスパッドを含む一般的なEMS機器は、健康な方がルールを守って使用する分には、内臓に悪影響を及ぼす心配は極めて低いと言えます。しかし、次に解説するような、使用してはいけない方や注意すべき点も存在します。
emsの利用で内臓への影響はある?
前述の通り、一般的なEMS機器が健康な方の内臓に直接ダメージを与えることは考えにくいです。しかし、「間接的な影響」や「特定の方へのリスク」については、正しく理解しておく必要があります。
例えば、腹部にEMSを使用すると、腸が刺激されて動きが活発になることがあります。これは一部の人にとっては便通改善といったプラスの効果をもたらす可能性がありますが、もともとお腹が弱い人にとっては不快感につながるかもしれません。
最も注意が必要なのは、安全上の理由からEMSの使用が禁止・注意喚起されている方々です。インプットした情報にも、以下のような方は使用を避けるべきとの記載がありました。
EMSを使用してはいけない方(一例)
- ペースメーカー等の体内植込型医用電子機器を使用している方
- 心電計等の装着型医用電子機器を使用している方
- 心臓に障害のある方
- 妊娠中の方、出産直後の方
- 悪性腫瘍のある方
これらの禁忌事項は、EMSの電気刺激が医用電子機器の誤作動を招いたり、病状を悪化させたりする危険性があるためです。製品によって禁忌事項は異なりますので、使用前には必ずご自身の健康状態と照らし合わせ、取扱説明書の「安全上のご注意」を熟読してください。不安な点があれば、かかりつけの医師に相談することが最も重要です。
emsが悪性腫瘍の治療中に使えない理由
EMSの取扱説明書で、悪性腫瘍のある方や治療中の方が禁忌とされているのには、医学的に明確な理由があります。
主な理由は、EMSの電気刺激やそれによる筋肉運動が、体に以下のような影響を与える可能性があるためです。
- 血行促進による影響:EMSを使用すると、筋肉がポンプのように働き、局所の血行が促進されます。これは通常、健康な体にとっては良いことですが、悪性腫瘍がある場合、がん細胞が血流に乗って他の部位に転移するリスクを高めてしまう可能性が理論上否定できません。
- リンパ流の促進による影響:同様に、リンパの流れも活発になります。がん細胞はリンパ管を通じても転移するため、これもリスクとなり得ます。
- 体への負担:がんの治療中は、手術や化学療法、放射線治療などによって体が大きなダメージを受けており、体力が低下しています。意図しない筋肉運動が、体に余計な負担をかけてしまい、回復を妨げる可能性があります。
WEBライターより
これは「可能性」や「リスク」の話であり、EMSを使ったからといって必ず転移が起こるわけではありません。しかし、医学の世界では、患者さんの安全を最優先に考え、少しでもリスクがあることは避けるのが原則です。そのため、予防的な観点から厳しく禁忌とされています。
自己判断で「これくらいなら大丈夫だろう」と使用することは絶対に避けてください。がん治療中の方や、過去に罹患歴のある方がEMSの使用を検討する場合は、必ず事前に主治医に相談し、許可を得るようにしてください。
内臓脂肪を最速で落とす運動とは?
EMSが筋肉を鍛えるサポートツールであることを踏まえた上で、本題である内臓脂肪を効率的に落とすための運動について解説します。
結論として、内臓脂肪を減らすのに最も効果的なのは「有酸素運動」と「筋力トレーニング」の組み合わせです。
①有酸素運動:脂肪を直接エネルギーとして燃焼
内臓脂肪は皮下脂肪に比べて、運動によって燃焼されやすいという特徴があります。ウォーキング、ジョギング、サイクリング、水泳といった有酸素運動は、体内の糖質と脂肪をエネルギー源として直接消費します。
特に、ややきついと感じるくらいの強度で、継続的に行うことが効果的です。厚生労働省の「e-ヘルスネット」によると、週に10メッツ・時以上の有酸素性運動が推奨されています。これは、速歩(約4メッツ)を1日30分、週に5日以上行うようなペースに相当します。
②筋力トレーニング:基礎代謝を上げて燃えやすい体を作る
有酸素運動と並行して、筋力トレーニングを行うことも非常に重要です。スクワットやプランクなど、大きな筋肉を鍛えることで筋肉量が増加し、基礎代謝が上がります。基礎代謝が高い体は、運動していない時でも多くのカロリーを消費するため、内臓脂肪がつきにくく、落ちやすい体質になります。
ここでEMSの出番です。筋トレが苦手な方や、より効率を上げたい方は、通常の筋トレの補助としてEMSを活用することで、筋肉への刺激を高めることが期待できます。
「有酸素運動で今ある脂肪を燃やし、筋トレ(+EMS)で基礎代謝を上げて未来の脂肪を燃やす体を作る」。この二つのアプローチを組み合わせることが、内臓脂肪を落とすための王道であり、最速の方法と言えるでしょう。

EMSダイエットで内臓脂肪は落ちる?効果と注意点を解説 総括
- EMSの主な役割は筋肉を刺激し鍛えること
- EMSが直接脂肪を燃焼させるわけではない
- 筋肉量が増えることで基礎代謝が上がり痩せやすい体質を目指せる
- インナーマッスルを鍛えることでぽっこりお腹の改善が期待できる
- 効果には個人差があり運動習慣がない人ほど変化を感じやすい
- 皮下脂肪が厚いと電気刺激が筋肉に届きにくくなる
- 誇大な広告には注意し消費者庁の指摘事例も参考にすること
- EMS単独での痩身効果を証明する科学的根拠は限定的
- 健康な方が正しく使えば内臓への悪影響は極めて低い
- ペースメーカー使用者や心疾患、悪性腫瘍のある方は使用禁忌
- 使用前には必ず取扱説明書の安全に関する記載を確認する
- 不安な場合はかかりつけの医師に相談することが最も重要
- 内臓脂肪を最も効率的に落とすのは有酸素運動と筋トレの組み合わせ
- EMSは筋トレの補助ツールとして活用するのが最も賢い使い方
- 食事管理と運動習慣を見直すことがダイエットの基本であり王道