
「筋トレの筋肉痛が遅れてくるのはなぜですか」と、運動した翌日ではなく二日後になってから痛みが来ることに疑問を感じたことはありませんか。痛みが遅いと、筋肉痛が二日後になる年齢という噂を思い出して「筋肉痛 遅れてくる 老化」のサインではないかと不安になる方も多いようです。
しかし、筋肉痛が遅れてくる理由や筋肉痛 どれくらい遅れてくるのかというメカニズムには、年齢以外の要素が大きく関係しています。本記事では、筋肉痛 当日 に くる場合との違いや、一般的に筋肉痛 いいことと言われるものの、本当に筋肉痛=効いてる証拠なのかという点について解説します。
また、痛みがある中で筋肉痛の間の筋トレは有効ですかという疑問や、筋肉痛が少し残ってる 筋トレの実施判断、さらには筋肉痛の 時に 筋トレ ダイエット効果があるのかといった実践的な悩みにもお答えします。もし休息が必要な場合、筋トレを何日サボると筋肉が落ちますかという不安についても科学的見解を交えて解消していきます。
- 遅発性筋肉痛が発生する分子レベルのメカニズムと時間のズレ
- 年齢と筋肉痛の発生タイミングに直接的な関係がないという科学的根拠
- 筋肉痛がある状態でのトレーニング判断と部位別アプローチ
- 痛みを早く治すための最新リカバリー法と栄養摂取のポイント

筋肉痛が遅れてくる筋トレの原因とメカニズム
筋トレの筋肉痛が遅れてくるのはなぜですか?
運動した直後ではなく、数時間から数日経ってから痛みが生じる現象は、専門的には「遅発性筋肉痛(DOMS)」と呼ばれています。なぜ痛みが発生するまでに時間差があるのかというと、体内で痛みを引き起こすための化学物質が合成され、脳に伝わるまでに物理的な時間がかかるためです。
以前は「乳酸が溜まることが原因」と言われていましたが、現在のスポーツ科学ではこの説は否定されています。乳酸は運動後すぐにエネルギーとして再利用されるため、翌日以降の痛みの直接的な原因にはなりません。
現在有力な説は、筋肉の微細な損傷に伴って発生する「ブラジキニン」などの物質が引き金となり、時間をかけて「神経成長因子(NGF)」などが生成され、神経が過敏になることで痛みを感じるというメカニズムです。
つまり、筋肉の工場で「痛みのスイッチを入れる物質」が製造され、それが輸送されるための準備期間が必要なため、痛みが遅れてやってくるのです。これは正常な生理反応であり、決して体の異常ではありません。
(参照:大正製薬商品情報サイト)
筋肉痛が遅れてくる理由とどれくらい遅れてくる?
筋肉痛が遅れてくる主な理由は、筋肉が引き伸ばされながら力を発揮する「伸張性収縮(エキセントリック・コントラクション)」によって、筋繊維のミクロな構造(Z帯など)が損傷するためです。例えば、階段を降りる動作や、重いバーベルをゆっくり下ろす動きなどがこれに当たります。
では、具体的にどれくらい遅れてくるものなのでしょうか。一般的な痛みのタイムラインは以下の通りです。
| 経過時間 | 体内の状態 | 自覚症状 |
|---|---|---|
| 運動直後 | 筋繊維の微細損傷、ブラジキニン放出 | 張りや疲労感 |
| 12〜24時間後 | NGF(神経成長因子)の合成と輸送 | 違和感や軽いこわばり |
| 24〜48時間後 | 神経の感作(過敏になる)完了 | 痛みのピーク |
| 72時間以降 | 筋衛星細胞による修復進行 | 徐々に痛みが引く |
このように、痛みのピークは運動から24時間〜48時間後に訪れることが一般的です。これは体内で炎症反応や神経の感度が高まるプロセスが完了するタイミングと一致しています。
(参照:健康長寿ネット)
筋肉痛が二日後になる年齢や遅れてくる老化の真実
「年を取ると筋肉痛が遅れてくる」というのは、日本で広く信じられている俗説ですが、医学的なエビデンスにおいては否定的な見解が主流です。研究によると、若年者と高齢者が同じ強度の運動を行った場合、筋肉痛が発生するタイミングに有意な差は見られないと報告されています。
「でも、実際に年を取ってから遅くなった気がする」という方も多いですよね。実はその原因、年齢そのものではなく「運動の強度」にある可能性が高いんです。
若い頃は部活動などで高強度の運動をする機会が多く、筋繊維の損傷が激しいため、翌日すぐに強い痛みが現れます。一方、年齢を重ねると怪我予防のために無意識に運動強度を下げたり、普段使わない筋肉を久しぶりに使ったりすることが多くなります。
運動強度がマイルドだと、細胞内の反応が緩やかに進むため、痛みの閾値を超えるまでに時間がかかり、結果として「遅れてきた」と感じやすくなります。
つまり、筋肉痛が遅れてくるのは老化の決定的な証拠ではなく、無理のない適切な強度で運動を行った結果であるとも言えます。
(参照:MELOS)
筋肉痛が当日にくるケースとの違い
一方で、運動した直後や数時間以内に痛みを感じる場合もあります。これは「早発性筋肉痛」や「急性筋肉痛」と呼ばれ、遅れてくる筋肉痛(DOMS)とは発生メカニズムが異なります。
当日にくる痛みは、主に以下の要因で引き起こされます。
- 激しい運動による代謝物(水素イオンなど)の蓄積
- 筋肉への酸素供給不足(虚血)
- 筋肉の強い緊張やむくみ(パンプアップ)による物理的な圧迫
これらは一時的な生理反応であり、血流が回復して代謝物が除去されれば、比較的短時間で解消することが一般的です。対して、翌日以降の痛みは組織の微細損傷と修復プロセスによる炎症が主な原因であるため、回復により長い時間を要します。
(参照:第一三共ヘルスケア)

筋肉痛が遅れてくる時の筋トレと回復法
筋肉痛=効いてる証拠?筋肉痛はいいことか
「筋肉痛=トレーニングが効いてる証拠」として喜ぶトレーニーは多いですが、必ずしも「筋肉痛がなければ効果がない」というわけではありません。筋肉痛は、普段慣れていない刺激や強い負荷がかかったことのサインであり、筋肉がダメージを受けたことを示唆しています。
筋肉痛が起きるようなトレーニングは筋肥大のきっかけにはなりますが、痛みが強すぎると日常生活に支障をきたしたり、次のトレーニングの質を下げたりするデメリットもあります。
最新のスポーツ科学では、筋肉痛がなくても筋肉は成長するという見解が広まっています。
筋肉痛になること自体は「しっかり刺激が入った」という一つの目安(いいこと)として捉えても良いですが、痛みを目的化して無理な負荷をかけ続けることは避けるべきです。痛みはあくまで体の反応の一つであり、絶対的な指標ではないと理解しておきましょう。
(参照:OYG)
筋肉痛の間の筋トレは有効ですか?
結論から言うと、強い筋肉痛がある部位に対して、さらに筋トレを行うことは避けたほうが賢明です。筋肉は、トレーニングによる「破壊」と、休息による「修復」を繰り返すことで、以前より強く太くなります。これを「超回復」と呼びます。
筋肉痛がある期間は、まさに筋肉が炎症を起こして修復作業を行っている最中です。このタイミングで追い打ちをかけるように負荷を与えると、修復が追いつかず、逆に筋肉が痩せてしまったり(カタボリック)、怪我につながったりする恐れがあります。
したがって、痛みがある部位へのトレーニングは有効どころか逆効果になる可能性が高いとされています。しっかりと休養を取ることも、トレーニングの一部です。
(参照:セラピストプラス)
筋肉痛が少し残ってる筋トレの実施判断
「激痛ではないけれど、少し違和感や痛みが残っている」という場合の判断は難しいものです。基本的には、痛みが残っているうちは、その部位の高負荷トレーニングは控えるのが安全です。フォームが崩れて関節などを痛めるリスクがあるからです。
しかし、トレーニングを完全に休む必要はありません。以下のような工夫を取り入れることで、計画的に継続することが可能です。
| 対策 | 具体的な内容 |
|---|---|
| 分割法(部位分け) | 脚が痛い日は腕や胸を鍛えるなど、部位をローテーションさせる。 |
| アクティブリカバリー | 軽いウォーキングや水泳などを行い、血流を促して回復を早める。 |
| 強度を下げる | どうしても動かしたい場合は、重量を大幅に落としてフォーム確認に留める。 |
また、回復を早めるためのケアとして、近年は「RICE処置(冷却・安静)」ではなく「PEACE & LOVE」プロトコルが推奨されています。過度な冷却(アイシング)は炎症反応を止めすぎて修復を遅らせる可能性があるため、痛みのない範囲で動かし、血流を良くすることが回復への近道とされています。
(参照:SIXPAD Column)
筋肉痛の時に筋トレしてダイエットになるか
ダイエット目的で筋トレをしている場合、「休むと太るのではないか」と不安になるかもしれません。筋肉痛の時に無理をして同じ部位を鍛えても、前述の通り筋肉の成長が阻害されるため、長期的には基礎代謝アップのチャンスを逃してしまいます。
ただし、回復期間中の過ごし方次第でダイエット効果を高めることは可能です。筋肉の修復には多くのエネルギーが使われるため、安静にしていても通常より代謝が高まっている状態と言えます。
さらに脂肪燃焼を狙うなら、筋肉痛の部位を使わない有酸素運動やストレッチを取り入れるのがおすすめです。
ウォーキングやエアロバイクなどの軽い運動は、消費カロリーを稼ぐだけでなく、血流を良くして筋肉痛の回復物質を届ける手助けにもなります。
痛みと相談しながら、体を動かすこと自体は継続しましょう。
(参照:OZmall)
筋トレを何日サボると筋肉が落ちますか?
筋肉痛が長引いてトレーニングができないと、「せっかくつけた筋肉が落ちてしまうのでは」と心配になります。しかし、筋肉は数日休んだ程度では簡単には落ちません。
一般的な研究では、生理学的に筋肉量(筋繊維の太さ)が減少し始めるのは、完全な寝たきり状態などの極端な不活動を除けば、トレーニングを中断してから約2〜3週間後からと言われています。
- 1週間程度の休息: 筋肉量への影響はほとんどありません。むしろ、グリコーゲンが充填され、疲労が抜けてパフォーマンスが向上することもあります。
- 2週間以上: 神経系の適応が少し鈍り、扱える重量が少し重く感じるかもしれませんが、筋肉自体が急速に萎縮するわけではありません。
- 3〜4週間以上: 徐々に筋肉量の減少が始まるとされています。
したがって、筋肉痛が治るまでの数日間休むことは全く問題ありません。焦らずに完全に回復させてから再開したほうが、長い目で見れば質の高いトレーニングができ、筋肉の成長につながります。
(参照:Healthline)

筋肉痛が遅れてくる筋トレのまとめ
- 筋肉痛が遅れてくるのは発痛物質の生成と輸送に時間がかかるため
- 痛みのピークは運動後24時間から48時間後が一般的である
- 年齢と筋肉痛の発生タイミングに科学的な因果関係は薄い
- 遅れてくるのは老化ではなく運動強度がマイルドだった可能性が高い
- 当日にくる痛みは代謝物の蓄積などが原因の早発性筋肉痛である
- 筋肉痛は刺激が入った証拠だが筋肉痛がなくても成長はする
- 強い痛みがある部位への追い込み筋トレは逆効果になるため避ける
- 痛みが少し残っている場合は部位を変える分割法を取り入れる
- 軽い有酸素運動は血流を促し回復とダイエットに効果的である
- 筋肉は数日休んだ程度では落ちず2~3週間は維持される
- 回復にはRICE処置よりもPEACE & LOVEプロトコルが推奨される
- 過度なアイシングは回復を遅らせる可能性があるため注意する
- タルトチェリージュースなどは抗酸化作用で回復を助ける可能性がある
- しっかり食べて寝ることが筋肉の修復には不可欠である
- 痛みへの不安をなくし前向きに休息をとることが成長の鍵となる


